2012年7月20日金曜日

DAY 322

レンゾ・ピアノのオフィスビルはまだ工事中、でも遠くからでもその異常な大きさが伺える。
テート・モダンではダミアン・ハーストの大規模な回顧展。美術の最も大きなテーマのひとつである「死」を、理屈をこねずに真っ正面から表現している。衝撃的だったのがガラスケースの中にウジ虫と皮を剥がれた牛の頭、電気殺虫機を入れ、蛆から蠅に孵り、卵を産み、子孫を残し死んでいき、卵から蛆が生まれ、というサイクルを実演する"A Thousand Years" (1990)。死をまっすぐ見つめる視線と、生き死にのサイクルさえもショーケースに覆われればアート作品になりうるというキャビネットシリーズに通じる彼の博物学的興味も感じられる。
何故これがアートなのか、現代美術を見ると良く頭に浮かぶこの疑問も、ダミアン・ハーストのように妙な理屈をつけずに直球で表現されるとそのモノとしての力強さの前には何故か薄らぐ。
テートの前、ミレニアムブリッジでしゃがみ込んでいる人が居たので物乞いかと思ったら、足場にできた小さな汚れに模様を描いていた。ひとつひとつ違う形をした小さな汚れが彼にはキャンパスに見えるのだろうか、そういう視点を持って生きたい。








ビール日記360 John Smith's (○)
Beer records 360 John Smith's (○)

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